心理相談室〜モノとコトの整理ブログ

心理カウンセリングこころねがピックアップした情報をお届けします。

論理療法

多くの皆さんは悩んだことがあるのではないかと思います。ところで、どんなときに悩みますか?

実は、私達が悩みには、結局は次の二通りしかありません。

  • 「やりたいのに、できない」
  • 「やりたくないのに、やってしまう」

前者は、恐怖や不安、後者は、依存と関連があります。

これらの悩みは、私達の思い込みの解消によって改善することが知られています。そんな心理用法の一つとして、論理療法があります。

論理療法とは

論理療法は、アメリカの臨床心理学者「アルバート・エリス」が開発した心理療法です。

論理療法では、まず、悩みを引き起こすような出来事(Active event)結果(consequence)として悩みを引き起こしているのではなく、非合理な信念(Belief)によって引き起こされているという、ABC理論に基づいて、クライエントの問題が説明されます。

例えば、A: 「仕事での失敗」、B: 「失敗してはならない。失敗する人間に価値はない。」、C: 「不眠、食欲不振」という具合です。

次に、「論駁法」によって、思い込みを脱洗脳します。つまり、論駁法とは、B: 非合理な信念を論破(Dispute)する方法です。

セラピーの中では「その考えは貴方にとってどんな意味があるのか?」「その考えの根拠はなにか?」などの質問がクライエントに投げかけられます。

その考え方の無意味さが理解できるようになるとともに、新しい考え(Effective new philosophy)(例えば、E: 「失敗しない人はいない。失敗から学ぼうとする人間には価値がある。」など)を、様々なトレーニング(イメージやホームワーク)などを通して、定着させていきます。

このA▶B▶C▶D▶Eを経て、不合理な信念(イラショナル・ビリーフ)が、合理的信念(ラショナル・ビリーフ)に置き換わり、クライエントの症状が改善、消失します。

論理療法はこのようにシンプルでわかりやすく、セルフケアにも向いています。

不合理な信念は、「〜べき」「〜ねばならない」といった内容を含んでおり、「べき思考」「ねばならない思考」などと呼ばれていて、考え方に幅がありません。 合理的信念は「できるなら〜」「〜にこしたことはない」など考え方に幅があり、選択の余地があるのが特徴です。

これらに注目して、セルフケアにチャレンジしてみてください。

おわりに

今回もお付き合いいただきありがとうございました。みなさんが、リソースフルな日常をお過ごしいただけるように祈っています。

カウンセリングやコーチングにご興味をお持ちでしたら、ぜひ、お問合せください。

次回もおつきあいくださいね!


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自律訓練法

現代社会では膨大な情報を処理する必要に迫られます。用事を一つ済ましても、次の用事、そしてまた次と用事は溜まり、溜まった用事のことを思うと気分も落ち込む。そして仕事のパフォーマンスが低下し空回りが始まる。そんな経験をされた方も少なくないと思います。

持続的な緊張とイライラが当たり前になって、場合によっては自律神経失調症になってしまう人もいます。

そこで、自律神経のバランスを整えるのに、とても効果を発揮するのが「自律訓練法」です。

自律訓練法とは

自律訓練法の「自律」とは「自律神経」のことです。その自律神経のバランスを整える訓練をする方法が自律訓練法です。

自律神経は「交感神経」と「副交感神経」に別れており、それぞれ、イライラモードとリラックスモードを担当しています。

普段から、イライラモードばかりが続いていると、身体がそれに慣れてしまい、リラックスモードの状態を忘れて、「自分は休んでいるつもりでも、身体がどこか休めていない」といった状態になります。

  • 夜なかなか寝付けない。
  • 考え事をしていてふと気がつくとイライラしている。
  • あれこれ考えて、仕事が進まない。

これらの症状がある方は要注意、ひょっとすると自律神経のバランスが悪いのかも。

自律訓練法では、自律神経のバランスを整える方法として、暗示による催眠誘導を使います。 催眠誘導によって、身体にリラックス状態を作り出し、その感覚をもう一度思い出させていきます。

通常は、背景公式、第一公式から第六公式までの七つの公式を行います。

  • 背景公式(安静感暗示)
  • 第一公式(四肢重感練習)
  • 第二公式(四肢温感練習)
  • 第三公式(心臓調整練習)
  • 第四公式(呼吸調整練習)
  • 第五公式(腹部温感練習)
  • 第六公式(額部涼感練習)

心理カウンセリングこころねでは、この訓練にアレンンジを加え、NLPのエッセンス加えています。心臓調整練習など、体調や持病などに気をつけながらにはなりますが、カウンセリングでも、必要と感じた時はご提案しています。

おわりに

今回もお付き合いいただきありがとうございました。みなさんが、リソースフルな日常をお過ごしいただけるように祈っています。

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フォーカシング

前回、クライエント中心療法のご紹介をしました。今回はクライエント中心療法と関係が深い「フォーカシング」についてご紹介します。

フォーカシングの発見

1957年クライエント中心療法の創始者カール・ロジャーズは、ウィスコンシン大学へ移り、カウンセリングの成功・失敗事例の比較研究を行いました。

ロジャーズの仮説は、セラピストが「共感的理解」を示し、「無条件の肯定的な関心」を表し、「自己一致」している時、カウンセリングが成功するというものでした。

しかし、この研究における膨大な研究資料を整理した研究者たちは、これらセラピストの技術が、必ずしもカウンセリングを成功に導いているとは限らないと言う、衝撃の結論を見出します。

「なぜ、カウンセリングが役に立つ人と役に立たない人がいるのか?」

その頃、哲学の研究をしていたユージン・ジェンドリンは、「実感の象徴化」に興味を持っていました。そんな興味からロジャーズのグループにはいっていったジェンドリンは、クライエントがカウンセリングのなかで、言葉にならない「曖昧な実感」をなんとか表現しようとしている姿を目撃しました。

そして、ジェンドリンは研究の中で、カウンセリングの成功・失敗要因は、「クライエントが自分の曖昧な実感にふれる能力次第だ」ということを明らかにしたのでした。

そんな経緯からつくられたのが、ジェンドリンの「体験過程の理論」です。」そして、彼の理論に基づいてはじまったセラピーそれが「フォーカシング」なのです。

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フォーカシングの特徴

たとえば「お昼ごはん何にしよう?」と考えた瞬間、私達は「うーん、、、」と身体の内側のなんだかわからない「はっきりしない感じ」に目を向けます。

簡単な問題のときは、「はっきりしない感じ」は一瞬ですが、複雑な問題のときはしばらく感じ続けることになります。そのとき、そこに不快感や違和感も伴って感じられます。

そんな不快感や違和感に注意を向け「ぴったりな表現」が見つかると、落ち着き、心に引っかかっていたものがとれ、心が楽になる。

フォーカシングはそういった「実感の象徴化」をうながす方法をガイドしてくれるセラピーなのです。

おわりに

フォーカシングの気づきは、精神分析で得られる気付きと近いという方もいますが、私自身、大きな気づきがあったときは泣きながら笑うみたいな状態になってスッキリと気持ちがブレなくなりました。

ひょっとするとブレても構わなくなったという方が正しいかもしれません。(笑)

さあ、今回もお付き合いいただきありがとうございました。 まだまだ、続きます。次回もおつきあいくださいね!


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クライエント中心療法

今回からしばらく、心理療法についていくつか紹介していこうと思います。まず第一弾は、一見どんなセラピーなのか判りづらい「クライエント中心療法(来談者中心療法)」です。。

創始者「カール・ロジャーズ」

クライエント中心療法の創始者心理療法家の「カール・ロジャーズ」で、クライエント中心療法の発展だけにとどまらず、世界的にも大きな影響を及ぼしました。

1920年代の半ば頃から児童臨床に関わったロジャーズは、この頃すでに、人間の成長への欲求について語っていて、その後の研究の成果を受け「人間には、完全な発達に向かう自然の傾向がある。」と述べています。この哲学が、クライエント中心療法の根底に流れていると考えていいでしょう。

クライエント中心療法の特徴

クライエント中心療法の特徴は、どうしてこのセラピーが「クライエント中心」なのかを考えるとわかります。

1940年にカール・ロジャーズは「心理療法の新しい諸概念」という講演で、従来の指示的心理療法を批判し、それが大きな論争を引き起こしたそうです。

それまでの多くの古い心理療法が「医学モデル」に基づき「検査→診断→アドバイス」という手法だったのに対して、「成長モデル」に基づき「成長傾向→援助」という当時としては斬新な手法を提案したからだったんです。

つまり、「カウンセラーは、クライエントの問題を解決するヒーローなのではなく、クライエントが自分で問題を解決してヒーローになるのを援助する人のことなのだ」という感じ。だから「クライエント中心」なんですね。(^ ^)

実際のセラピーですが、クライエントが安心して自由に話せるように、カウンセラーは、様々な技法を使います。

例えば、話しているクライエントが、「いま・ここ」で何を感じているのかをカウンセラー自身が自分の内側でしっかり感じるための技法などです。そうでなければ、積極的な興味を持って受容したり、共感したり、できないですものね。

クライエント中心療法の意味わかっていただけたでしょうか。(^ ^)

おわりに

クライエント中心療法を創始したロジャーズは、その後の1957年にウィスコンシン大学へ移ると、あの「ウィスコンシン・プロジェクト」を立ち上げ、そのプロジェクトで、ユージン・ジェンドリンがフォーカシングを発見することになるのです。

ということで、次回は私も大好きなフォーカシングについて紹介していきます。

さて、ここでお伝えしたいことがあります。 心理カウンセリングこころねでは、ワンコイン(500円)で参加できるワークショップを企画してみました。

題して、「はじめてのフォーカシング」です。

「実感に触れる」ためのメソッド「フォーカシング」は、

  • 先延ばしをしてしまう人
  • やめたいのにやめられない人
  • 自分の気持ちがよくわからない人
  • 強い感情に呑み込まれることがある人
  • もっと傾聴の技術を伸ばしたい人

といった人などに役立ちます。

フォーカシング誕生の経緯や、フォーカシングの方法や特徴について説明し、実際にフォーカシングを体験していただくところまで行う予定です。

‌「はじめてのフォーカシング」

  • とき 2021年5月12日(水曜日)19:00〜20:30
  • ところ 心理カウンセリングこころね相談室
  • 定員 相談室は6名、Zoomでの参加も可。参加希望の方はご連絡ください。
  • 参加料 ワンコインの500円

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そろそろ、五月病ぎみの方がいるかもしれませんね。頑張りすぎずアクセルとブレーキをうまく使いこなして参りましょう!それが、難しそうな時は、ご連絡ください。(^ ^)

それでは、また!

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「フォーカシング」〜実感に触れる〜

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、4都府県を対象に緊急事態宣言が出されましたね。今年のGW(ゴールデンウイーク)は気をつけながらの外出となりそうです。

GWに旅行して、日頃のストレスを発散しようと思っていた方の中には、状況を鑑みて今回は無用な移動はやめておこうと決めた方も少なからずいらっしゃったのではないかと思います。

ちょっと気が早い話ですが、GWが終わると五月の出勤が待っていて、程度の差こそあれ、なかには「五月病」になってしまう方もいるかもしれません。

この時期は、メンタルケアに気を使う時期でもありますが、特に「気軽に自分でできるメンタルケア」が気になるところです。

そんなみなさんに今回は「フォーカシング」をご紹介しようと思います。

フォーカシングとは

フォーカシングは、ユージン・ジェンドリンによって初めてそのメソッドが示されたセラピーで、そこには、自分の「実感」に触れる方法が提示されています。

私たちは実感に触れ、それを言語化、象徴化する過程で、大きな充足感を得ることがあります。この充足感は、心理カウンセリングの中で生じるものと同じものなのです。

フォーカシングをご紹介しようと思った理由の一つは、コツを掴めばひとりでもできるのでセルフヘルプにぴったりだということ。

そんなフォーカシングの特徴はどういったものでしょうか?

フォーカシングの特徴

それでは、フォーカシングの特徴について説明します。

まずは、「話さなくても良い」ということ。

例えば、ゲシュタルト療法のように、心理療法には、気持ちを話したり表現するものが少なくありません。しかし、フォーカシングは、自分の中で実感とのやりとりをやれば良いので、必ずしも話す必要がありません。

次に、「ひとりでもできる」ということ。

フォーカシングは自分の実感とやりとりするので、ひとりでもできます。態度で示すことを美徳とする日本の文化にはぴったりな心理療法ではないかと思います。

3つ目は、「コミュニケーション能力が向上する」ということ。

ミスコミュニケーションの原因の一つに、自分がどうしたいのか、しっかり把握できないということがあります。フォーカシングを続けると、自分の実感が捉えやすくなり、自分がどうしたいか把握しやすくなります。その結果、他者とのコミュニケーションもやりやすくなります。

4つ目は、「傾聴の技術を高めることができる」ということ。

フォーカシングはもともと、心理療法のメカニズムの研究の中で導き出されたメソッドです。ですから、継続して実践していくことで、「何を聴くのか」「どう聴くのか」といったことが自然と理解できるようになり、傾聴の技術が向上します。カウンセラーを目指している方や人と対面する仕事をされている方には特におすすめです。

おわりに

ここまでフォーカシングを紹介して来ましたが、実は、心理カウンセリングこころねでは、フォーカシングのワークショップをご用意しました。

「はじめてのフォーカシング」では、はじめてフォーカシングに出会う方向けに、フォーカシングのメソッドが生まれた経緯やメソッドの概要をご紹介します。

「フォーカシング入門」では、「はじめてのフォーカシング」をふまえ、さらに「実感」について深掘りしながら、フォーカシングの原理、効果についてもご紹介します。

どちらもワンコイン・ワークショップとなっています。参加料は500円です。相談室に来られる方は限定6名さま、リモートでのご参加はZoomからとなります。詳細は、フライヤーをご覧ください。

それでは、外出するのも億劫なGWですが、ワークショップを受けてスッキリとGW明けを迎えましょう!

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はじめまして、ブログを始めます。

私は現在、心理カウンセリングこころねの代表で専属の心理カウンセラーをしています。一方で、私には物理学修士という側面もあり、それがカウンセリングの特徴にもなっています。

心理学も物理学も世界のルールを表しているという意味では同じです。違いは何かといえば、気持ちは変われども、脳を構成するモノは同じということでしょう。

脳の中で起っているコトは、モノとモノとの繋がりの中で起きる現象だったりもします。

世界はモノとコトから出来ている。

私は、そんなモノとコトが彩る世界を整理してみたいと思いました。

それでは、みなさんも興味を持たれたらお付き合いくださいね。

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