フォーカシング
前回、クライエント中心療法のご紹介をしました。今回はクライエント中心療法と関係が深い「フォーカシング」についてご紹介します。
フォーカシングの発見
1957年クライエント中心療法の創始者カール・ロジャーズは、ウィスコンシン大学へ移り、カウンセリングの成功・失敗事例の比較研究を行いました。
ロジャーズの仮説は、セラピストが「共感的理解」を示し、「無条件の肯定的な関心」を表し、「自己一致」している時、カウンセリングが成功するというものでした。
しかし、この研究における膨大な研究資料を整理した研究者たちは、これらセラピストの技術が、必ずしもカウンセリングを成功に導いているとは限らないと言う、衝撃の結論を見出します。
「なぜ、カウンセリングが役に立つ人と役に立たない人がいるのか?」
その頃、哲学の研究をしていたユージン・ジェンドリンは、「実感の象徴化」に興味を持っていました。そんな興味からロジャーズのグループにはいっていったジェンドリンは、クライエントがカウンセリングのなかで、言葉にならない「曖昧な実感」をなんとか表現しようとしている姿を目撃しました。
そして、ジェンドリンは研究の中で、カウンセリングの成功・失敗要因は、「クライエントが自分の曖昧な実感にふれる能力次第だ」ということを明らかにしたのでした。
そんな経緯からつくられたのが、ジェンドリンの「体験過程の理論」です。」そして、彼の理論に基づいてはじまったセラピーそれが「フォーカシング」なのです。
フォーカシングの特徴
たとえば「お昼ごはん何にしよう?」と考えた瞬間、私達は「うーん、、、」と身体の内側のなんだかわからない「はっきりしない感じ」に目を向けます。
簡単な問題のときは、「はっきりしない感じ」は一瞬ですが、複雑な問題のときはしばらく感じ続けることになります。そのとき、そこに不快感や違和感も伴って感じられます。
そんな不快感や違和感に注意を向け「ぴったりな表現」が見つかると、落ち着き、心に引っかかっていたものがとれ、心が楽になる。
フォーカシングはそういった「実感の象徴化」をうながす方法をガイドしてくれるセラピーなのです。
おわりに
フォーカシングの気づきは、精神分析で得られる気付きと近いという方もいますが、私自身、大きな気づきがあったときは泣きながら笑うみたいな状態になってスッキリと気持ちがブレなくなりました。
ひょっとするとブレても構わなくなったという方が正しいかもしれません。(笑)
さあ、今回もお付き合いいただきありがとうございました。 まだまだ、続きます。次回もおつきあいくださいね!
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